再婚相手が20歳って何なの?
「そんで、与一郎さんとかが言ってたんだ。
紗智子のせいで、慧は胸つるぺったん女子と付き合うんだろうなぁ…とか、もう最悪男子に走るかも…とか」
紗智子さんが笑っていたから、自然にこっちまで笑顔になった。
「男ってッ!!」
「ねぇ~与一郎さんも可笑しいでしょ!?」
そんな感じで笑っていると、ふすまが不機嫌そうな音を立てながら開いた。
「あら、慧」
「何の話してんだよ」
「もう一回言って欲しいの?」
「冗談じゃない。
ってか、父さんが呼んでた」
紗智子さんは嬉しそうに立ち上がると、私に手を振りながら部屋から出て行く。
慧はため息をつきながら、私を押し倒すように寝かせ、傍に座った。
「はぁーしばらくはちゃんと寝かせろって、言ったんだけどな」
「む、無理だよ。
仮にも将来の御母さんだよ?
寝たまんまなんて、そんな非常識なこと出来ないよ」
慧は布団の傍に落ちていた白いタオルを拾う。
私の額に乗っていた物に違いない。
慧はタオルを桶の中に入れると、クスッと笑った。