詩織?と聞こうとした瞬間に、苅谷との会話を思い出す。




『ひかりさんとは親しいんだけどね、上手く笑うことは無いんですって』




羨ましい。

と詩織の笑顔から、そう感じた。



別に詩織は素直に会話を聞いて、面白かっただけかも知れない。



でも、その心のうちのどこかに、そんな気持ちがあるのも確かだろう。




「シオリちゃんの笑顔もきゃわぃぃぃぃ」



「…母さん」



「あんたねぇ、母さんの気持ちも汲み取ってよ!


家には男、男、男、男の年がら年中、男祭り。

お祭り騒ぎなのよ?」




ハイハイ。


分かってますよ。



でもな、母さん。

子が言うのも気が引けるケド、母さんの爆乳で詩織が窒息死しそう。




「お、お母様…つ、辛ッ、苦しいぃ」




詩織が母さんの胸の中で、何かを訴えてる。



やっと母さんは気がついたのか、母さんは力を弱めた。




「ふえッ?」



「「…………」」




母さんが手を離すと、人形のように地面に落ちていく詩織。




「いやぁ~シオリちゃんがぁぁぁ」