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「き、緊張するッ!」
詩織は車から降りるなりそう口にした。
目の前には、久々すぎる自分の家の門。
「間宮家でかぁ」
「田舎で見るから、そー見えるだけ」
実家は、田舎。
自分の部屋から何キロ離れた海が見えるほど、周りには高い建物一つ無いド田舎。
「詩織、可愛い服だけどさぁ…帰ったら捨てろよ?」
「えっ!?なんで?」
「めっちゃ、酒臭くなるから」
地元でも“上等”と言われる俺の家は、酒屋でもある。
しかも、マニアからは有名な高級麦焼酎を取り扱っている。
「間宮…焼酎…?
………って…あの!?」
「俺はよく知らねーよ」
「えっ?家のことなのに?」
「酒好きだったら、ココ継いでる」
詩織が納得したような顔をとりあえずしたので、古風な門には似合わないインターホンを押した。
「は~い」
「母さんか?俺、
間宮慧」
「慧!?
あんた何で急に…
まぁ、大歓迎だけどね。
もしかして嬉しいほ「早く開けて、とりあえず」

