30人くらいの集合写真。
赤ちゃんもいれば、高校の制服を着た男女も写っている。
「詩織は……コレ。
一番ブスッとしてる、可愛い子」
苅谷が置いた、人差し指の下に6歳の詩織がいた。
苅谷が言うように、可愛い子なのに、この写真の中で一番ブスッとしていた。
「私が施設に入って、呑気に歓迎パーティーした時の集合写真」
「…………………」
「この時も、詩織はパーティーにすぐ来なくて、シスターが施設内を探しまわってた」
「詩織って、こんな時期もあったんだな」
「私もね、気になってたんだ。
その施設って、一時預けられが基本なんだよね」
苅谷はそういうと、写真をしまって外を見つめた。
「詩織…いつも教会のマリア様に祈ってた。
迎えに来てくれないことが分かっていても、詩織は祈り続けていた」
「迎えに来てくれない?
知っていた?
……どういうことだ」
苅谷は口ごもると、深呼吸を軽くした。
「し…だの……」

