ゾクッ,私の彼は医者です。【短】


『一年くらいの賃貸が勿体無いから、荷物置いていい?』




彼は朝、ベッドの上で私を抱きしめながら聞いてきた。




『洋服類は元々少ないし家具もそんな無いし、
平気だろう?』




勝手に自己満足すると、友達からトラックを借りて、荷物をうちに入れだした。



それが、遠距離を告げられた三日後。



頭で理解出来ていないのに彼は、現実を私に叩きつけてきた。



おまけに、荷物は少ないとか言っておきながら、一つ一つの物が場所を取る。



特にタンスとか箪笥とか。



おかげさまで、寂しくても友達を呼ぶ事が出来ない。



布団をひいたり、雑魚寝が出来るスペースも無い。



さすがに女同士とか、
彼氏でも無い男と、ピッタリ重なるようにベッドで寝たくは無い。



私の私物よりも彼の私物のほうが、確実に場所は取っている。



しかも、腹立つことに
良い物だし…さすがお医者様。



私には合わないんじゃないかって、時々思う。