「ンッ…………!」
酸素が無い。
助けて欲しいよ……。
「しゃ、とし……」
両手で慧の胸板を押していると、両手を掴まれた。
私に抵抗なんて、出来ない。
足も、慧が身体にかぶさっていて、思うように動けない。
「さ、とし…」
こんなキスは、いつぶりなんだろう。
確か、プロポーズの日がこんなキスだった。
プロポーズしてくれようとしていたのに、私はそれを知らずに別れを告げた。
その時も、怒りが紛れたキスを慧にされた。
今日は何に怒っているの?
「慧……死んじゃう!」
そう叫ぶと、慧も肩を上下させながらキスを止めた。
「はぁ……死にはしねぇーよ。
俺がいるんだから」
ドキッとしたのは、きっと気のせいだ。
だって、私は怒っているんだよ?
医者だからって、言っていい言葉じゃないよ?
そんな言葉を、簡単に言わないでよ。

