だから、慧の馬鹿。
気づけ馬鹿。
「式部先生のことか?」
「それは…もういい」
慧は首を傾げて、私を見つめていた。
式部先生のことがどーでもいいのは本音。
慧を見たら、どーでも良くなっちゃった。
これでいなかったら、めちゃくちゃになって暴れてたんだろうケド。
怒ってるのはソコじゃない。
式部先生が女だから嫉妬したとか、小さなことじゃない。
「連絡…なんでくれなかったのさ」
「はぁ?送ってただろう
誰だよ、無視してたのは」
…………はぁ?
ちょっと待ってよ。
今、慧は何ておっしゃった?
『送ってた』?
いやいや、送ってたって………
メールってことですよね?
そんなもの、一つたりとも来てないよ?
留守電のメッセージも、ましてはメールなんて…
何かの間違いじゃないの?
まさか、別の女にメールしてたとか?
慧に限ってそんな事、有り得ないよ…。