完璧に馬鹿にしてる!



慧は私を見ながら水を飲んで、喉を潤している。



「慧のばか」



「は?」




急に遠くに行って、
急に帰って来て、

何もかも自分勝手じゃない。



音信不通になったことも許してない。



勿論最初の一週間くらいは、私から連絡していた。



見事に全部、留守番電話サービスに繋がりましたけど。



でも、時間が重ならなくてもメッセージは入れてくれてた。



なのに、二週間で態度は激変。



留守番電話サービスは当たり前だし、電源が入っていないことが当たり前になった。



メッセージも返してくれないのが一週間続いて、やっと自分の行為が迷惑なんだと気がついた。



彼の医者としての忙しさは理解しているつもりだから、余計に連絡が出来なかった。



チャンスだと思っていた、自分の誕生日や慧の誕生日。


でも、何を書いていいのか分からなかった。



そして、次々と記念日は過ぎていった。



一方的に送れば良かったかも知れない。



ケド、
『それが何?』という反応が脳裏に浮かんで怖かった。



不安で送りたいのに、送ったら送ったで不安になりそうだった。