いつ慧は来たの?
私が酔いつぶれて来たのは、確実なんだけど。
なんで今日、慧は帰って来たのかが分からない。
そんな連絡、一切貰っていないのに。
「……大丈夫か?」
トイレから出ると、無表情のままに慧は立っていた。
その手には、ペットボトルの水と薬。
…………薬………
「そんな顔してないで、薬飲むんだ」
「えぇ―」
慧は顔を歪めると、ミネラルウォーターのキャップを開けた。
「なっ…!無理やり飲まそうなんて、駄目だからねッ!」
キャップを床に投げて慧は私を見つめると、大きなため息をついて水を飲む。
口移しで来るのかと思ったら、慧は水をゴクリと飲み込んだ。
「詩織が飲みたく無いなら別にいいよ」
「………………」
「具合悪くなるの、詩織自身だもんな。
俺には関係無い」
うっ……。
お医者さんに言われると無駄なダメージが大きすぎる。
しかも言い方が、小児科レベルなんだけど。