同い年くらいなハズなのに、やけに顔も態度も、すべてが幼かった。


………気がする。



ちゃんと覚えているのは声と言葉。




『クマさん、
痛い痛いなのぉ…』




小さな公園でベンチに座っていた女の子は、涙目で俺と目が合うと、何故かニコリと笑った。




『あんたも泣いてんの?』




さっきまでの言葉とは違い、何故か上からな言葉だった。



でも大事そうにぬいぐるみを抱えている。




『そのぬいぐるみ………治してやろうか?』



『えっ、あんた出来るのですか?』




正しい日本語では無かった。


でもなんだか、女の子は嬉しそうだった。



直し終わると、女の子は目を輝かせて俺を見つめる。




『凄いなッ!
クマさん治しちゃった!

クマさんのお医者なの?』



『馬鹿ッ、ちげーよ!

なんだよ、クマのお医者さんって』




女の子はキョトンと首を傾げると、クマを大事そうに掲げて、クマにキスをした。