リアルにぶっ倒れたら、俺は医者としての対応が出来る自信が無い。
焦って焦って、焦りまると思う。
そのくらい、今の俺から詩織がいなくなることが考えられない。
詩織と出逢ってからだ、こんな風に思うようになったのは。
今までは、彼女だろうがなんだろうが、なんだって良かった。
だから、たまに驚くんだ。
自分の激しい感情に。
詩織をただ思う気持ちが、こんなに強いことを。
「裁縫なんて、久しぶりだなぁ」
まぁ、手術とかではやっているケド。
こんなに肩の力を抜いて出来る裁縫は、久しぶりだ。
昔から家事が出来る俺は、何故か嫌われていて、昔の考えからか、父にも嫌われていた。
『女みたい』
その一言を、医者を志すまでに何度も言われた。
俺のコンプレックスを、長所にしたのは、ある女の子だった。
『私のクマさぁんがぁ』
両手にクマのぬいぐるみを抱えて、左手には取れたぬいぐるみの腕を持っていた。

