酒の飲みすぎなのか、詩織は後部座席で唸っている。
特に、車が大きく揺れると唸る。
ミラーで確認すると、眉間にシワが寄っていた。
「詩織、平気か?」
「うーん」
気持ち悪いなら、起きるハズなのに。
なかなか、詩織もしぶとい奴だな。
自然に笑みを零す俺。
外から見れば明らかに変な奴なのは確かなのに、ニヤニヤが止まらない。
「さぁとしぃ…」
「何、詩織」
詩織はまだ寝ているみたいだが、確かに今、俺の名を読んだ。
「眠いよ、さと……」
もう寝てるじゃ無いか。
そう言うも、詩織は笑ってまた、寝息をたてる。
俺はハンドルをきると、ある場所に向かった。
それは、家具を預けた詩織の家とは、反対方向。
起きた時、詩織は驚いて焦るんだろうなぁ。
まぁ、その様子も見てて楽しいんだけどね。
「詩織、着いたから降りよう」
「うーん、ココがいぃ」
「駄目だ、風邪ひく」

