何で、目が開いてるのに、俺と苅谷の区別がつかないんだろう?
本当に変わってんなぁ。
「詩織、おぶってやるから乗れッ」
「花香が潰れちゃうよぉー」
だから、俺は苅谷じゃないっつーの!!
いい加減に気がつけ馬鹿。
もう、いろいろな所に突っ込みたいんだが。
「ったく」
俺は詩織を引っ張り、自分の背中に乗せる。
そして、背負った瞬間に、また体重が減っていることに気がつく。
攻めたらきっと、俺のせいって言うんだろうな...。
詩織は、なんやかんや言って、我慢強い。
まぁ。
今回みたいに溜め込むと、こうなるのは分かってるんだけど。
それに甘えてしまう俺がいる。
まだ大丈夫だろう?と。
連絡だって、詩織から来ないから、大丈夫なんだと、勝手に理解していた。
「ごめんな、詩織」
「うぅーん、なむにゃむ」