別に、式部先生が女として好きで、追いかけたワケじゃないんだけど。
まぁ。
詩織Shioriが勘違いするのも、分からなくないけど。
ってか、詩織だからこそ、勘違いしたに違いない。
「詩織、帰るぞ」
「嫌ぁ、浮気男とは帰るか!!」
浮気してないし、俺。
詩織が勝手に思い込んでるだけでしょう?
「花香ぁ、やすぅはドコ?
合コン、合こーん!!」
「.........」
苅谷は、ため息をついて頭を抱える。
こいつ今、間違いなく言ったよな?
合コンって。
「苅谷、どーいうことだ」
俺の低い声に、苅谷は肩をビクリとさせる。
それに“やすぅ”って誰だよ。
目を離すと、すぐこれだ。
「わ、私帰るからさ、そいつのことよろしくね」
「おい!!」