ご飯を食べて、何もせずぼーっとしてると、玄関のチャイムが鳴った。






今度は誰。





また社長?






「はい…。」

「祐介は!?」

「はい?」

「あ、ごめん…。俺は、祐介の学生の頃からの友達。捺亜ちゃんのことは写真で見たりとかしてたよ。」

「名前…」

「真嶋武。初めまして。」

「真嶋さん…。」








うっすら聞いたことあるかも。






いや、ないかも。








「父なら今家出中です。」

「家出!?あんなメール送ってくるから死んだかと…。」

「メール?」

「知らないアドレスから『娘を頼む。祐介』ってきたから…。送り返しても帰ってくるし。」

「そうですか。父が迷惑おかけしました。」

「いや。」

「あたしは大丈夫です。それでは。」






そう言ってドアを閉めた。





誰かと話す気分じゃなかったし。







ほんとかどうかもわかんないし。





なんせ親父いないから。






この一軒家にひとりぼっち。






なんでこんなことになってんだろ…。






一生恨んでやるからな、クソ親父…。