「捺亜ちゃん、もしかしてまだ捨てられたと思ってる?」

「え?」

「祐介は本当に不真面目でバカで適当でどうしようもないけど」

「ボロクソ言いますね。」

「まじで捺亜ちゃん捨てるとかないから。」

「いいですよ。大丈夫です。あたしはただ一発殴るために探してるんです。あとは親父を自由にしてあげます。」







武さんは苦笑い。






仕送りは本当にきた。






十分生活できる額。





でもそれだけ。







「武ー!!」

「聖子?どうした。」

「あ、捺亜ちゃんも…。祐介から、手紙。」







手紙!?





リビングに降りて、武さんが封を開ける。





うーん…なぜかみんな緊張。





「うおっ。なに、この空気。」

「暁、お前も座れ。」

「え、父さんそんな真剣な顔出来んの?」

「うるせぇな!」





暁も座って、武さんが手紙を読む。







「『よっ!俺まじ元気!心配すんなよ~。武は俺のこと大好きだからな。お前のことだから捺亜預かってくれてたりする?助かるわー。あ、俺のことについては何も聞くなよ?今の俺、謎多き男だから。じゃ!』」





…。





おい!






あのバカ親父…!





誰のせいでみんな困ってると…。







「相変わらず祐介はバカだね~。」

「てゆうか、なにコイツ!?心配してた俺がバカみたいじゃね!?」

「これが捺亜の父さん?かるっ。」

「返す言葉もありません…。」






みんなあきれてる。





でも笑ってる。





とりあえず、あのボケナス親父は生きてるらしい。






しかも元気らしい。