「でも…ほんとは優しい奴なんですね。」






びっくりして捺亜の方を向くと、捺亜もこっちをチラッと見て笑った。







なんなの。






あいつ。






これわざとだったら女って怖い。






だけど俺だって、さすがに捺亜が不器用なやつだってことくらいわかった。








「まぁ、ムカつきますけど!」

「あ~もう、捺亜ちゃんってカワイイよね!!」

「はい?」

「敬語なしでいいのに。」

「慣れたら…。」







それから捺亜は部屋に行った。





「暁、絶対捺亜ちゃん落とすのよ!」

「いきなり?」

「あたし捺亜ちゃん娘になったら嬉しすぎる。なに、あの子。かわいすぎない?」

「俺が好きにならないから。」

「アンタみたいなのすぐ捺亜ちゃんにコロッと行くから大丈夫。」







言い切り?






めんどくせぇ…。





無視だな。




ま、これでしばらくは平和ってことで。