親父の置き手紙を前にソファーに座って頭を落ち着かせる。






あたしにはお母さんはいない。






10年前、あたしが6歳のときに病気で亡くなった。






それ以来、あたしはこの家で親父と2人で暮らしてきた。






いい加減な奴だけど、あたしには一人きりの家族。






だったのに!!






どこ行ったわけ!?






ここまでいい加減だっとはね!






普通、一人娘残して行く!?






とにかく、これからどうしよう。






あ、ケータイ!





慌てて親父に電話。






「はい、もしもーし。」

「すぐ出るし!親父、今どこ!?」

「んー、秘密♪」

「アホか!!あたしどうすんの!?お金は!?」

「捺亜なら大丈夫でしょ?お金なら毎月送るから!」

「そういう問題?」