「由宇?もう、委員会終わったよ」




ハッ!!



山本 雅也に声をかけられて、ビックリした。




だって、教室に誰もいないんだもん。




あたしが紘のことを考えている間に委員会は終わって、みんな帰ってしまったらしい。




「ボーっとしてたけど、大丈夫?」





こういう、優しいところが、モテるのかなぁ。





「あ、ごめん考え事してた。」





「そっか、じゃあ、帰ろ。」




昨日は絶対嫌だったけど、今日は、なぜか、嫌ではなかった。




いや、むしろ一緒に帰りたかったのかも知れない。






「由宇の家ってどこ?」





「アップルパイがおいしい、ケーキ屋の近く。」





「へ~、じゃあ、学校からかなり近いね。」