耳元で、紘が





「帰るなよ。」



と、つぶやいた。





そんなことされたら、期待しちゃうよ。





だって、抱きしめられてるし、「帰るなよ」って、彼女とかが言われる言葉じゃなの?






顔が赤くなるのを感じた。





けど、なるべく平常心を装って、





「分かった。帰らないから、離して。」






紘はゆっくりと手を離した。