エレーナ再びそれぞれの想い

 歴史的再会を果たした、エレガンス幹部とマリアンヌ・AK・チルステア。
だが、ふたりの間に出来た溝は埋まらない。
そこへ学校の生徒達が集まって来た。
「貴方は、マリアンヌじゃない?」
そう声がして、黒川が集まった人達をかきわけて来た。
「貴方は、確か以前私と契約していた黒川さん!?」
マリアンヌが黒川を思い出し、話し掛けると、
「はい! 今から十数年前に、貴方に願いを叶えてもらいました。
当時、病気で永くは生きられないと医師に告げられていた私は、娘のなつみを自分で育
てる事ができず、柚原家に引き取ってもらいました。
そして、いつか、成長したなつみに会いたいと願ったのです。
その後、新薬の開発で、奇跡的に回復した私は、シオミ・クレハ・グランチェスタと契
約し、十数年を経てようやくなつみと再会を果たしたのです」
マリアンヌと黒川。
天上界の危機が、皮肉にもふたりを再会させたのだった。
「でも貴方、全然齢を取っていないじゃない。むしろ、十数年前より若くなっているし
」
マリアンヌは不審に思った。
「それでしたら、この学校にいる娘さんに再会するため、若返って学校に入学したいと
いう黒川さんの願いを私が叶えたからです」
シオミが説明した。
「そうだったの」
マリアンヌは、ようやく納得した。
再会は互いに感慨深い物であったが、それもつかの間、
「それでは、本当の願いの意図を隠した、実質、寿命延ばじゃありませんか。
マリアンヌ、何て事をしたんです!」
エレガンス幹部は険しい表情になった。
「マリアンヌは悪くありません
離れ々になった子供に何としても会いたい、子供の成長を見届けたい、親なら誰でもそ
う思うんじゃないですか。マリアンヌは、それを叶えてくれただけです。
どうしてそれがいけないんですか?」
黒川がマリアンヌをかばいエレガンス幹部に反論した。
幹部達がざわついた。
天上界の規則の問題に、契約者である人間が反論してきたのである。
天使達にとって、マリアンヌと幹部達の対立原因である、天上界の規則に、契約者まで
巻き込む事になろうとは、全くをもって予想外の展開になったのだ。
「しかし、寿命が延びた事で、貴方と関わった人々にさまざまな影響を与え、人間の歴
史その物まで変えてしまうかもしれません」
エレガンス幹部は、危機感を強めた。
黒川は話しを続けた。