エレーナ再びそれぞれの想い

本当にシュウの幸せを想うなら、何時までも落ち込んでいないで、今すぐ助けに行くべ
きよ」
マリアンヌは厳しい表情で、ただちに行動を起こすよう、エレーナに迫った。
 
 そこへ、
「やめろ! 過去を変えてシュウを生き返らせるなんて、規則違反だぞ!」
と、ジェシークリスタルがやめさせようと止めに入った。
「貴方は?」
ジェシーも、マリアンヌが天上界を離れてからずっと後に生まれた天使。
もちろん初対面だ。
「私は、契約管理官のジェシー・クリスタル。
あんたが、新天上界のマリアンヌ・AK・チルステアか?」
契約管理システムの端末は、全ての天使達の居場所を把握出来る。
世界中どこに居ても機械で見つけ出せる。
マリアンヌは、かつて幹部達と対立し、天上界を離れた。
そして、天上界の影響力の及ぶ範囲から遠く離れ、行方不明になった。
さらに、契約管理システムの追跡も届かない、はるか遠い異世界に、新天上界を造った
。
「142年も前に、契約管理システムのレーダーから消えたお前が、突然再びレーダー
に表れたので不審に思って、幹部達と共に来たのだ」
マリアンヌが振り返ると、幹部達の姿があった。
そこには、マリアンヌと実の姉妹のような関係だった、イザベラ・エレガンス幹部の姿
も。
「あれは、エレガンス幹部!」
マリアンヌが驚いていると、エレガンス幹部が、ゆっくりと、歩み寄ってきた。
そして、
「マリアンヌ・AK・チルステア」
と声を掛けた。
マリアンヌは少しの間、エレガンス幹部から顔をそむけていたが、やがて、
「天上界の幹部達がエレーナ達に、人の想いが清らかな心並みの大きな力になる事を、
教えていないと思い、私が代わりに教えに来た。
そこで、白川シュウの死因が医療事故だったと知ったわ。
エレーナは、シュウを幸せにするために何もしてこなかった。
だから私は、何もせずに落ち込んでいるエレーナに、本当にシュウの幸せを想うのなら
、医療事故があったシュウの過去を変えるべきだと言った。
それのどこが悪いと言うの!」
マリアンヌは、吠えるようにエレガンス幹部に言い放った。
「人の寿命をむやみに延ばせば、人間界の歴史まで変えてしまいます。
それがどんなに恐ろしい事か、貴方も分かっているでしょう?」
マリアンヌは、エレガンス幹部の言葉にすかさず反論する。