名陵学園由乃、学生寮、シュウの部屋。
帰って来たエレーナから、新天上界との交渉が失敗に終わったと聞き、落胆する一同。
部屋には、シュウ、エレーナ、さやか、プリシラ、そして、シュウの執事、中沼が集まっている。
でも、シュウの様子がおかしい。
それに、いち早く気づいたエレーナ。
シュウはさっきから全く口を利かない。
「どうかされたのですか?」
心配するエレーナの問いかけにも、シュウはうつむいたまま何も答えない。
「先ほど、警察と自衛隊の方が見えて、郁乃様と結衣様の捜索を打ち切るって言われたんです」
中沼から事情を聞かされたエレーナ。
土砂崩れから日数は経っていた。
だが、行方不明の郁乃と結衣は未だに見つからず、ついに、警察と自衛隊は捜索を断念したのだった。
これ以上捜しても、見つかる可能性は極めて低い、と警察はシュウに告げた。
それはシュウにとって、あまりにも厳しすぎる現実を突き付けられたのであった。
「シュウ君」
心配したさやかが、シュウに話し掛けた。
シュウはしばらく黙っていたが、やがて顔上げ、さやかにこう言った。
「僕、幽霊ですよね」
「ええ」
そう答えるさやかに、シュウは、
「僕は、母も祖母も、全てを失いました。
それに、自分自身は、母さん達よりずっと前に既に死んでいます。
なのに……なのにどうして僕は、幽霊になってまで、この世に存在しなくてはならないんでしょうか?」
「それは……」
そう言いかけて、さやかは、返答出来ない。
「教えて下さい。エレーナさん、天使は、人間から不幸を取り除くんでしょ?」
シュウは、エレーナの服にしがみつき、泣いた。
「とっ、とにかく今は落ち着いて。お母さん達は、私達が必ず見つけるから」
エレーナもそう答えるのが精いっぱいだった。
だが、やがて、シュウはうつむきながら静かにこう言った。
「いえ、もういいです」
そして、最後に、
「僕は、もう、幸せにはなれない……」
今までどんな時でも、前向きで気丈に振る舞ってきたシュウ。
そのシュウが初めて口にした弱気な言葉……
そう、シュウは、今まで相当無理をしていたのだ。
帰って来たエレーナから、新天上界との交渉が失敗に終わったと聞き、落胆する一同。
部屋には、シュウ、エレーナ、さやか、プリシラ、そして、シュウの執事、中沼が集まっている。
でも、シュウの様子がおかしい。
それに、いち早く気づいたエレーナ。
シュウはさっきから全く口を利かない。
「どうかされたのですか?」
心配するエレーナの問いかけにも、シュウはうつむいたまま何も答えない。
「先ほど、警察と自衛隊の方が見えて、郁乃様と結衣様の捜索を打ち切るって言われたんです」
中沼から事情を聞かされたエレーナ。
土砂崩れから日数は経っていた。
だが、行方不明の郁乃と結衣は未だに見つからず、ついに、警察と自衛隊は捜索を断念したのだった。
これ以上捜しても、見つかる可能性は極めて低い、と警察はシュウに告げた。
それはシュウにとって、あまりにも厳しすぎる現実を突き付けられたのであった。
「シュウ君」
心配したさやかが、シュウに話し掛けた。
シュウはしばらく黙っていたが、やがて顔上げ、さやかにこう言った。
「僕、幽霊ですよね」
「ええ」
そう答えるさやかに、シュウは、
「僕は、母も祖母も、全てを失いました。
それに、自分自身は、母さん達よりずっと前に既に死んでいます。
なのに……なのにどうして僕は、幽霊になってまで、この世に存在しなくてはならないんでしょうか?」
「それは……」
そう言いかけて、さやかは、返答出来ない。
「教えて下さい。エレーナさん、天使は、人間から不幸を取り除くんでしょ?」
シュウは、エレーナの服にしがみつき、泣いた。
「とっ、とにかく今は落ち着いて。お母さん達は、私達が必ず見つけるから」
エレーナもそう答えるのが精いっぱいだった。
だが、やがて、シュウはうつむきながら静かにこう言った。
「いえ、もういいです」
そして、最後に、
「僕は、もう、幸せにはなれない……」
今までどんな時でも、前向きで気丈に振る舞ってきたシュウ。
そのシュウが初めて口にした弱気な言葉……
そう、シュウは、今まで相当無理をしていたのだ。

