エレーナ再びそれぞれの想い

 そんな時、シュウに異変が起きた。
「今日は体調が悪いから休みたい」
シュウは学校を休み、病院に行った。
「私達もついていきます」
エレーナ達が付き添おうとしたが、独りで平気だからと断られた。
ところが、シュウが病院から帰って来ると、さっきまでと様子が違っていた。
ずいぶんと元気そうだ。
「病院で寝たら、体調が良くなりました。体が軽くなったような感じがします」
次の日からシュウは、休まずに登校し始めた。
ところが、妙な事が起き始めた。
「白川君、今日は休みだね」
「きっと、学校が嫌になって逃げ出したんじゃないの?」
「そりゃそうでしょ。女装までさせられたら」
クラスメイト達が噂している。
その次の日も同じような噂がされた。その次の日も、そのまた次の日も。
「白川君、今日も来ないね」
「ひょっとしてもう、2度と戻って来ないかもね」
クラスメイト達の言動に、やがてシュウ自身、おかしいと思い始めた。
最初は、クラスメイト達のいじめだと思った事もあった。
だが、担任の佐倉先生にまで、毎日欠席扱いにされた。自分は毎日、学校に来ている。
なのに、なぜ先生まで?
「みんな僕を無視するんです。佐倉先生まで。
話しかけても振り向いてもらえないし、学校には毎日行っているのに、休んでいるって言われるんです」
シュウにそう言われ、天使達も異変に気づき始めた。
「もしかして、これは無視ではなく、ご主人様に気づいていないのでは?」
プリシラの言葉にエレーナは、何を考えついたのか、
「シュウ君、ここで待っていて下さいね。私、すぐに戻りますから」
急ぎ天上界へ飛び立った。
「あっ、エレーナさん!」

 一方ここは塚本千鶴の自宅。
千鶴が祖父、巌と話している。
「白川家の次期当主が転入してきたか」
「はい」
「千鶴、分かっているな?」
祖父は孫娘を少し睨みつけるような目で見た。
「はい。最近体調が悪いとかで少し休みがちですが」
「そうか」
会話はそれで終わった。