コンコン…
私は坂野さんに渡したお土産と同じものを手に持って、ドアをノックした。
でも、人が出てくる気配なんてこれっぽっちもない。
多分、この音楽のせいだろう。
私はもう一度、強めにノックしてみた。
「すみませーん!」
近所迷惑にならない程度で叫ぶ。
その時、鳴っていた音楽がピタリとやみ、足音がこっちに近づいてきた。
ガチャ
「あっ!夜分にすみません。
…隣に引っ越してきて、挨拶に伺ったのですが音楽聞いてましたよね?邪魔しちゃってごめんなさい。」
下げた頭を上げて、その人の顔を見る。
だが、私はその人の顔を見た瞬間、腰を抜かした。
なっ!なに!?
イ、イイ……

