窓側の席。
私のお気に入りの席。
隣は高橋くん。私の好きな人。
「あんちゃん、今日って席替えの日だっけ?」
高橋くんは、私をあんちゃんって呼ぶ。
「そうだよ」
私は眉を下げて言う。
嫌だな…。せっかく好きな人と隣の席になれて、あんちゃんって呼ばれるくらい仲良くなったのに。
「席替えか…あんちゃんと離れちゃうじゃん。俺、嫌だな」
「え?」
「あ、そんな深い意味はなくて、えと、まぁ、あんちゃん面白かったしさ!」
なんだ、そういうことか。
期待しちゃうじゃん。
「あ、はは、そういう意味だよね。ははは」
苦笑いしかできないや。
そんな否定しなくてもいいのに。

