そのまま走って、建物を隔てて連中の姿が見えなくなった所で、アニキ達はようやく生きた心地がしてきた。
「よし♪ここまで来れば……」
二人揃って大きな溜め息をついた。
「ところで、アイツらいったい何者なんでしょうね?」
ヤスに質問され、アニキは言葉に詰まった。
「そういや、そうだな……警察…いや、警察があんなマネするか?……西〇警察かな……」
アニキ達には、羽毛田達の正体が、からきし見当つかなかった。
「ノド渇きましたね……アニキ~~」
「そうだな……」
車の中には、ゆみから貰った飲みかけの“激マズヘルシードリンク”が転がっていた。
「あれは絶対いらない……」
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