車内に飛び込んできたダイナマイトを拾うのに必死になっていたアニキ達だったが、ふと気が付くと、戦場のような外の爆発がいつの間にか止んでいた。
「あら残念……打ち止めだわ……」
リモコンを持ったセイが名残惜しそうに呟いた。
仕掛けてあった爆弾が全て爆発し尽くしたのだ。
「チャンス♪今のうちに逃げるぞ!」
「えっ?一億円はどうするんです?」
「それどころじゃねえだろっ!こんな所にこれ以上居られるか!」
一億円は惜しいが、命あってのものである。
逃げるチャンスは今しか無いだろう。
ヤスは、爆風でボロボロになった車のアクセルを目一杯踏み込んで、砂埃を上げながら、その場を離れていった。
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