ゆみの打った球…いや、ダイナマイトは、ピッチャー返しのごとくアニキ達の乗っている車内へと、勢いよく飛び込んできた。
「のわあぁぁ~っ!
ばっ、爆発する~~!!」
すでに導火線が1センチにも満たなくなっていたダイナマイトが、車の床をゴロゴロと転がった。
「バカ!ヤス!早く拾え!そこじゃねえ~足元にあるだろ!」
「ああっ!シートの下に!」
激しく揺れる狭い車内で、シートの角やグローブボックスに何度も頭をぶつけながら、必死になってシートの下に手をのばす。
「あった!」
もうあと5秒遅かったら、車もろとも木っ端微塵になる所を、間一髪でアニキが拾い上げ思い切り遠くへと投げつけた。
ドッカ~~~ン!
「ハア~……危なかった……」
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