しばらくすると、倉庫からヤスが出て来るのが遠目に確認できた。 「ヤス!早くカネ持って来い!アイツらにバシッと払ってやれ!」 アニキはそう言って、ヤスを急かしたが、ヤスはそれが聞こえているのか、ボーっとした精気の無い表情でフラフラと今にも倒れそうな足取りで、アニキの方に近づいて来た。 「どうしたんだ…ヤス?」 「無くなってました……」 「何が?」 「一億円も、鶴田教授もです……」 「ぬあぁにいぃぃ~!」 .