思い切り口の中へとかき込んだ“激辛ラーメン”のあまりの辛さに、二人は悶絶し、床の上を転がり回った!
「うげえぇぇ~っ!!
何だこりゃあ~~~!」
「あれ?おかしいな……スープの配合間違えたかな?」
来々軒の出前持ちは、人差し指で額をポリポリと掻きながら、首を傾げた。
「バカヤロウ!こんなもん食えるか~!」
「み…水だ!水をくれ!」
まるで口の中が焼けるようだ。
何か飲まなければ、収まりそうにない。
「いやあ♪あいにく水の出前は、やってないんですよ♪」
出前持ちは、残酷にもそう言い放った。
「ヤス!何か飲み物はねえのか!」
しかし、空き倉庫にある液体といえば、せいぜい使いかけのペンキくらいなものだ。
水道だってとっくに止められている……
二人の舌は、辛さを通り越して痛いような熱いような感覚になってきた。早く何か飲まないと、一生このままになってしまうのではないのだろうかと思うくらいだ。
その時、出前持ちが思い出したように両手をポンと叩いて言った。
「そういえば、外へ出てすぐの所に“飲み物の移動販売”の車が停まっていたような……」
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