尊南アルカイナ精鋭部隊
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「ぶあっっかも~~ん!」


手ぶらで藪製薬に帰って来た羽毛田に、山下刑事は激怒した。


「勝手な事しやがって!
鶴田教授は保護出来ない!犯人は捕まえられない!おまけに身の代金まで奪われるとは、どういう事だあ~っ!」


「スゴイじゃない♪
“ハットトリック”だわ♪」


横にいた秘書の朝霧が、笑顔で言った。


「そういうの、ハットトリックって言うのか……」

と、一億円が無駄に消えた社長の千太郎が、うなだれたまま呟いた。


なにを言われても仕方が無い……羽毛田は、今回は謙虚に責任の追及に黙って堪えようと思った。


「大体『ハゲ』のくせにでしゃばったマネするから、こういう事になるんだ!」


「そうそう!『ツルッパゲ』は、黙って言うことを聞いていれば良かったのよ!」


「まぁまぁ~♪そんなに皆で責めなくても♪
何しろ、『ケガ無くて』幸いだったですよ♪」


「何言ってるんですか社長!こいつにそんな『はげます』ような事言っちゃダメですよ!」


「そうそう!自分だけ『抜け』出して交渉しようとした、この『ハゲ』が……」




「うるせえぇぇ~~っ!!さっきから聞いてりゃあ、アタマの事ばかりじゃね~か!『ハゲ』は関係ねえだろ~~~っ!!」