狼と仔猫

魚を食べていると、ハルはクロの足が冷え切っていることに気がつきました。

顔色も、あまり良くはありません。

「どうしたの、クロ…」

するとクロは言いました。


「川に入ってたら足が冷えちゃって、寒いがうぅ……」


ハルはクロの足の上に、その小さな体を乗せて横になりました。



「わたしが暖めてあげるにゃん…」


ハルは、うるうるした可愛い瞳でクロの目を見つめました。

クロは顔が真っ赤になりました。

「(な、なんて可愛いんだ…)」



このときハルは、まったく同じことを思っていました。

「(なんてかっこいいの…)」


と。