狼と仔猫

おてんとさまが頭の真上に昇る頃、二匹は仲良くお昼寝をしていました。


ハルは寝返りをうち、クロのお腹にぴったりとくっつきました。

クロは目覚めてしまいました。

「やっぱり可愛いがうぅ…。
ハル、可愛い…」

そう呟きながら、クロは優しくハルの背中を撫でてあげました。


ハルは起きて、鼻をひくひくさせました。


「くんくんくん…」


「どうしたがう?」


「お腹すいたにゃん。」

クロもお腹がすいていました。

「なに食べたいがう?」

「おさかなさん、にゃーん!」

「わかったよ、おさかなさんな!」

クロは、ハルを岩穴の一番奥の葉っぱの布団に寝かせました。


「絶対にここから離れたらダメがう。」


そう言って、出かけていきました。