この時期の泥棒【短編】




「渡辺、まだ居たのかよ?」


後ろから聞こえた声。

これはまさかの…。



『せ、瀬川君!?』


いつもはサッカーの練習着姿なのに

今は制服を着ている本人登場。



「放課後になってから

かなりの時間が経ってるじゃん。

傘を持ってくるの忘れたのかよ」


「朝から降ってたのにんなわけねーか」と

ケラケラ笑っている彼に

『盗まれちゃって…』と遠慮がちに言うと

少しびっくりした顔をされた。



「笑ってごめん、盗まれたとは思わなくて」


そういって謝られてしまった。


『大丈夫だよ、よく盗まれちゃうから』


今回はちょっと高かったから

ショックが大きいんだけどね。