この時期の泥棒【短編】




それに今日は、瀬川君の誕生日だった。


片想いをしている彼に

お祝いの言葉をかけることも出来ず

私は家路へつこうとしていた。



『はぁ、本当についてないなぁ…』


ただ一言。

おめでとうって言うだけなのに。

どうして言えなかったんだろう。



雨は止む気配をしない。

走って帰る?


でもそんなことして風邪引いたら

学校休んで瀬川君に何日も会えないなんて…!

あー考えるだけでもイヤすぎる。


うろうろしながら靴箱から外を眺めていた。