茶筅(ちゃせん)を手際よく扱い、茶碗の中で抹茶を点てる。

静かに出した抹茶。

これを。

「ずごごごご~」

ちょっ、雛菊ストローで飲んじゃったよ。

「うぇぇ、苦ぁいっ」

顔を顰める雛菊に、佐倉 御衣黄は控えめに微笑んだ。

「撮影会お疲れ様でしたね、雛菊さん。しかし、生徒会長が怒っておられましたよ?学生のやるべきイベントではないと」

「だぁって、私頼まれただけだもん」

雛菊はプクッと膨れっ面になって茶菓子を口に運ぶ。

反省の色はない。