しかしヘッポコ探偵でも、学園が平和なのはいい事だと思う。

決して事件が起きて欲しい訳ではないのだ。

そりゃあ生徒や教師が恐怖のどん底に叩きつけられるような事件は起きない方が…。

「ん?」

ふと視線を下げた写楽は、廊下に一枚の紙が落ちている事に気づいた。

丁寧に四つ折りにされたプリント用紙。

どこかの出し物のチラシだろうか。

何気なく拾い上げ、プリントを見た写楽は。

「こ、これはっ…!」

咥えていたパイプ型チョコレートを口元から落としてしまう。

「だ、大事件だっ!」

何で嬉しそうなんだお前。