それから季節は過ぎ、もう冬になりかけている。

「希望ー。もう12月入っちゃったね!」

そうだ。

もう12月に入った。

君と約束をしたあのクリスマスは間近。

あたしの中で、期待と不安が入り混じっていた。

”やっと会える”という期待。

”忘れているかもしれない”という不安。

そんな感情があたしの心を埋め尽くしていた。

「希望。実はね、あたし彼氏出来た!」

咲智からその突然の報告に、あたしは驚きを隠せなかった。

「本当に?!誰?ってかいつから?」

「1組の沢田孝太。ついこの前、告られてさ。」

あたしたちは3組だから、1組の子はあまり知らない。

「そっかー。良かったね!」

「うん!希望もうまくいくといいね!」

「えっ?」

「クリスマス、もうすぐじゃん。」

クリスマスかぁ。

「うん。」