「・・・桃って、最近どこか変わっちゃったよね。」
「うんうん。なんか笑顔が減ったってゆうか・・・」

 教室の隅でそんな声がきこえる。

・・・あの日あたしは、家に戻れた。
それから、いつも通りに戻ったはずだった。

でも、クラスというパズルのなか、あたしというピースは
はまらなかった。
いや、はまれなかった。

あの日が歯車を、あたしの全てを狂わせてしまった。
・・・今までの時間はどこに行ったの?
ただのお友達ごっこだったの?

あの日までのあたしだったら、絶対にこんなこと考えたりしないのに。

あたしの、広い世界は、暗闇に閉ざされてしまったの・・・?


「なに一人で暗い顔してんの?あんたらしくないよ?」

 東雲 姫子。あたしの親友。