桜が散ってゆく。花吹雪が起こる。
花は何故散りゆく運命にあるのに、また花を咲かすのだろう?
・・・なんかあたしらしくないな、こんな事考えるなんて。

 あたしの好きな人は、如月 征司くん。
近所・・・とゆうか、隣の家の人。2コ上の先輩。
基本幼い性格をしていて、どっちが上だか分かんなくなる。
でも、ときどき見せる表情や仕草にドキドキして、いつのまにか好きになってた。

『いってきまーす。』
 今日もいつもどおり家をでて、いつも通り征司くんと一緒に登校(恋人じゃないけど)する。

























はず、だった。

『おはよう。』
「ん、おはよ。」

今日は授業でテストだとか、給食なんだろうなとか、平和な会話をして、30分かかる学校もあと10分で着くところで異変は起こった。

『・・・頭が、いた、い・・・』ドサッ
「っ桃!?桃っ!!桃っ!!!!!おい、しっかりしろよ!!!」

・・・意識は激しい頭痛にかき消された。










「よかった、桃っ!目ぇ覚ましたんだなっ!!」
目の前の人は泣いている。でも・・・、
『・・・ダレ?』
「は?何いって・・・」

ガララッ

「桃っ!目がさめたみたいだね。
 よかった、ほんと良かった。
・・・それと、大事な話があるんだ。」




「・・・じゃあ、俺外に出てます。」
「征司くん。あなたにも聞いてほしい。」
「っわかりました。」

あれ、征司くん?
さっきあたし、『ダレ』って言った?こんなに身近な人なのに?好きな人なのに?・・・どうして・・・?

きっとこれからパパが話そうとしてるのは「病気」のこと。

これで全てのピースが合う。

『・・・ねぇ、あたし、記憶が消えていく病気、なんでしょ?』
「っ!!お前分かってたのか・・・!?」
叫んだのはパパ。
ママと征司くんは目に絶望の色を浮かべている。
『・・・だって、自分の身体だから、分かるよ。』


涙で霞んだ目で、掠れた声で、



――――――あたしは笑うの。