教室に着いても視線が痛い…。


これは体中に穴が開きそうなくらいキツい視線だ。


自分の席に着くと、ケバくて香水のキツい女が
同じくケバい部下みたいな子たちを連れてこっちに来た。



「あのさ、あんた何様のつもりなの?」



あたし"様"を付けられるほど
偉くないんだけど…



「あたし、王様でも女王様でもないんですけど…?」



「あんた、馬鹿じゃないの?!」

いや、聞いてきたのはあなたでしょ?



「今朝、桐山くんと歩いて来てたよね?」


桐山くん?

…あ。陽向のことか。


「来た。」


それがなんなの?


「あんたみたいなのが桐山くんと登校なんてしていいと思ってんの?!」


"あんたみたいなの"だって


「たまたま会って、たまたま同じ方向だったから歩いてきただけじゃん。」


「―――ッ!!
調子に乗ってんじゃねぇよ!」

ガンっ!


あらら。
隣の席の子の机吹っ飛んじゃったよ。