急に後ろから聞こえてきた声にびっくりして振り返ると楓がいた。


「それ…」


楓が絵本を指差して呟いた。


「小さい子が読む本ですよね?」



言うと思った。

あたしを馬鹿にしてるな、きっと。



「そうだよ。楓も読む?」


「いや、いいです。」


あっそ。
てかなんで敬語なの?


「ねぇ。楓って誰に対しても敬語なの?」


疲れるでしょ、敬語ばっかりじゃ。

あたしには絶対無理だなー


「いえ。葵たちとは普通に話します。」



あー、あれか。


「信用した相手にしか素を出さないタイプでしょ。」