キキーッ!!!!


自転車のブレーキの音が聞こえてイヤホンを外した。


「おい!女!ちゃんと歩け!」

後ろから男の子の声がする。


もしかしてあたしに言ってる?


「あたし?」


振り返ってそう聞いてみた。


「――ッ!
あ、当たり前だろ!
お前以外に誰もいないじゃん!」


あたしが振り返った瞬間、赤髪の男の子は驚いたように目を開いて顔が赤くなった。


てか、噛んだよね。


とりあえず謝っておこう。


「ごめんね?」



あたしが謝ると男の子は、


「お、おう。怪我はしてないし別にいいぞ。」


よかったぁ、怒られずに済んだ。