こんな偶然が、そんな簡単にあるもんか。

俺と同じ名前を持つ、おっさん。
こいつは一体…。


「兄ちゃんの名前はなんて言うんだい?」



「俺の名前…。…阿部勇生だ。」



「おぉー!兄ちゃんも阿部勇生っていうのかい!こりゃ愉快!!ますます、気にいった!!兄ちゃんに相談したことがあるだんだが、いいか?」


おっさんは全くといって驚いていなかった。


「相談…?」


「おう!そのために、お前を警察に突き出さず、ここに連れてきたのさ。」



「…どういうことだ?」


俺は唾を一気に飲み込んだ。



「実わな、俺も今度銀行の金を盗もうと思っている。仲間も少しだがいる。そこで、兄ちゃんにはどうやって盗んだか、とか、詳しいアドバイスが欲しいんだ。」

えっ!?