そして俺が車から逃げだして、一分後、
黒いポルシェが竜也の乗っているタクシーの目の前で停車した。


ーーー黒いポルシェの車内ーーー

不穏な空気を漂わせる車内で、

赤いドレスの女が誰かに電話をかけている。

「こちら、コードネーム、“メリー”。標的は破損した車内におらず、どうやら逃亡したようです。…。はい。今探しております。それじゃ。」

電話を切った赤いドレスの女性“メリー”



「ボスに報告したのか?」

ボソッと喋る黒い男。


「えぇ。でも今回のミスはあなたのせいよ。コードネーム“キリン”。あなたが、
このオンボロ車の整備をちゃんとしとけば、とっくに捕まえてたのに。」


「まぁ、そういうな。標的はいずれ、俺が捕まえる。安心しとけ。」


「安心?よく言うわね。あんたに安心しても信用できないからやめとくわ。とりあえず、ここは目立つから車を、出して。帰還しましょう。」


そして黒いポルシェはどこかに消えていった。