阿部勇生と10日間戦争

俺は運転手に腹がたった。
でもそれはただの怒りではなく、バレるんじゃないかという焦りのまじった複雑気持ちだった。



それに気づかず、運転手はまた口を開く。


「そういえば、職人服を着た方のお客さん。この犯人の画像の人に似てますね。もしかして、本物だったりして!ははは」

ギクっ!


俺は怒りを忘れ、バレるんじゃないかという焦りだけに変わり、言葉が出なくなった。

そして竜也も焦りを感じてるのか、言葉がでてない。


「えっと、お客さんたちどうしました?具合でも悪くなりましたか?」


このまま言葉が出なければ完全に怪しまれる。

どうしよう…。


その時!

バンッ!!!!!!


強い衝撃が車全体にはしった。