阿部勇生と10日間戦争

そして車はどんどん道を進んでいった。

だが、全然、市川に着く気配がない。
それどころか、1時間はとっくにたった。

周りを見ても、道が混んでるという印象だ。


「お客さん。どうやら渋滞にはまったようです。どうしますか?ここでおります?」


俺は正直迷った。だがまだ半分の地点も来てない。ここで降りたって、きっと電車しかないだろうしな…。


だが竜也は即答した。

「いや!このまま目的地までお願いします!」


さすが竜也。今は君のことをウニだなんて決して呼べないよ!


「了解でーす。じゃあこのまま目的地まで進行いたします。まだまだかかると思いますので、テレビつけますね。」


そう言うと運転手は車内にとりつけてあるワンセグテレビのスイッチを押した。