「すこし、距離を置かないか
おれたち」









夕焼けが差し込み、照らされる彼の右の頬を、わたしは見ていた








彼の伏せたの目を見ることも出来ないまま、







「うん」




小さくこぼした











蝉の声が嫌に耳にはりついた



何故か懐かしかった