偽恋人から見事恋人になった私たち。
 …甘過ぎます。
 「緋奈、」
 名前を呼ばれて顔をあげると、

 ちゅっ

 なっ!?

 キス、された…
 しかもここ教室。
 まだみんないるんですけどぉぉ!?
 「わぁお、甘い!!いつになく甘いぞっ!?何があったのかね、穂嵩くん」
 何気に敏感な相楽くん。
 「そう?あ、恋人になったからかな?」
 「は?前から恋人だったじゃん?」
 
 その通りですよ…

 「んー、好きすぎてたまんないんだもん。仕方ないよ、ね?緋奈」
 爽やかに変態発言をするイケメン
 私はもちろん無視
 「緋奈~?どうして無視するの?」
 「うっさい…」
 「あぁ~、照れてるんだね?昨日あんなコトしたから」

 っ///
 誤解を招くような言い方を…

 「あ?何したんだよ、あんなコトって」
 「ん?えっとね~、ぎゅーとしたまま寝ちゃってたんだよね?だから今日は緋奈んちから登校したんだ」
 穂嵩の言葉でクラスが盛り上がる。
 
 何を騒いでんの?

 「ははーん、緋奈ちゃん遂に穂嵩くんと…「してないからっ!!」」
 「えー 一緒に寝たのに!?」
 「先に寝たの穂嵩だもん」
 「ちぇ。まぁ、人目もはばからずにキスできんならそのうちだろーな」
 
 なんて下素な奴らだ…

 視線を感じて後ろを振り返れば、優しい瞳をした穂嵩と目が合った。
 その時、
 「澤島くん、緋奈ちゃん泣かしたらダメだよ。」
 クラスの女の子が言った。
 「緋奈ちゃんも、澤島くんに泣かされたら言ってね?」
 「え…?あ、うん。ありがとう」
 「私ね、ずっと緋奈ちゃんと仲良くなりたかったの。だから、私のことは由希でいいーよ」
 初めて出来た友達…

 嬉しい

 「佐山さん、緋奈と仲良くするのはいいけどほどほどにね?緋奈は俺の、だから」
 「何言ってるの!?緋奈ちゃんは私のだよー、ね」
 結局私の周りには騒がしいのしか集まらないみたい。

 でもこれで正真正銘わたしはあなたの彼女、だよね?